第七章 理想郷に向かって

父母の愛が真の愛であるのは、

持っているものをすべて与えても、

もっと与えたいと思う愛だからです。

 愛の土台となるのは、お互いがお互いのためにすべてのものを捧げる犠牲の心です。父母の愛が真の愛であるのは、持っているものをすべて与えても、もっと与えたいと思う愛だからです。子供を愛する父母は、与えたことを覚えていません。「おまえには、何月何日にゴム靴を買ってやり、服も買ってやった。おまえのためにこれまでさんざん苦労したが、その代価はいくらだ」と帳簿に書いておく父母は一人もいません。かえって、自分が持っているものをすべて与えても、「これ以上与えることができなくて本当に済まない」と言うのが父母です。(231ページ)

海は未来の食糧問題を解決できる鍵です。


 全世界を巡回して感じる最も差し迫った危険は食糧問題です。食糧問題こそ一時も先延ばしできない問題です。今も私たちが生きている世界では、一日だけで四万人が飢えて死んでいっているのです。

(中略)

 食糧問題は、今後人類に非常に深刻な危機をもたらすでしょう。なぜならば、限りある陸地で生産されるものだけでは地球上の人類をすべて食べさせることはできないからです。ですから、海にその解決策を見いださなければなりません。海は未来の食糧問題を解決できる鍵です。私が数十年前から絶えず海を開拓してきた理由もここにあります。(317ページ)